GC「F-ZERO GX」公式インターネットランキングに喝!
『F-ZERO GX/AX』オフィシャルサイトで開催されていた、GC『F-ZERO GX』公式インターネットランキング大会ですが、最後の「エメラルドカップ」でとんでもないことになってしまいました。
GC『F-ZERO GX』は、人気レースゲーム『F-ZERO』の最新作で、任天堂とアミューズメントヴィジョン(セガの開発子会社)のコラボレーションとして話題になり、昨年7月25日に発売されました。そして、オフィシャルサイトで『F-ZERO GX Championship』と題し、タイムアタックモードで完走した際に発行されるパスワードを登録することによって参加できる、インターネットランキング大会が昨年9月25日から始まったんですが……。
しかし、インターネットランキング大会が始まったはいいものの、GC『F-ZERO GX』のゲームバランス・調整の拙さから、裏ワザ的な走行テクニックが次々と生み出され、通常の走行では考えられないようなタイムが続出しました。その代表格が「ドリドリ」と呼称される走行テクニックです。『F-ZERO GX』はカーブでドリフト(コントロールステッィク左or右+LR)を使うとスピードアップしますが、それを直線に応用したのが「ドリドリ」といえます。具体的には、重量の重いマシンで加速設定にして、走行中に「左+L→右+R→左+L…」を交互に繰り返すと、直線でも大幅なスピードアップが可能になります。実際の「ドリドリ」の映像は、F-ZERO GXルビーカップ最終結果のツイストロードのムービーをご覧になるとわかりやすいでしょう。ツイストロードでは、「ドリドリ」を使うと通常よりも20秒程度タイムが短縮できます。
『F-ZERO GX』で開発されたタイム短縮テクニックは「ドリドリ」だけではありませんで、今度は「トビトビ」と呼ばれるテクニックが登場しました。しかも「トビトビ」はなんと空を飛べるという驚愕のテクニックで、遂にレースゲームの枠を越えてフライトゲームになってしまいました。「トビトビ」の方法は、重量の軽いマシンを使って空中で「ドリドリ」の操作をするというもの。軽量マシンであれば、空中でスピードアップすると重力を上回る浮力が得られるというのが理屈のようで、「トビトビ」を使うと際限なく空を飛べてしまいます。「トビトビ」を実際に行っている映像は、F-ZERO GXサファイアカップ最終結果にあるメビウスリングのムービーをどうぞ。
さらにまだあります。インターネットランキング最終のエメラルドカップ開催期間に入ってからですが、「ドリドリ」「トビトビ」を上回るタイム短縮テクニック、「バグショートカット」が登場しました。「バグショートカット」の名のとおり、公式インターネットランキング大会の運営側にとっては致命的といえるものになってしまいました。
「トビトビ」の登場でかなりのタイム短縮ができるようになりましたが、それ以上のタイム短縮がなされなかったのは、各コース上にチェックポイントのようなものが設定されていて、それを通過しなければゴールが認められなかったからでした。要するに、「トビトビ」でコースは無視できるもののチェックポイントは無視できないため、ある程度コースにそって飛行する必要があったわけです。しかし、ある方法により、そのチェックポイントを通過しなくても、ゴールが認められてしまうというバグが発見されてしまいました。すなわち、「バグショートカット」はスタートしてすぐ飛び上がったら、小さく円を描くようにグルッと回るだけで、ゴールとみなされてしまうのです。これにより一周10秒以下というとんでもないタイムが可能になりってしまいした。そしてさらに始末が悪いことに、あまりのタイム短縮で完走時に表示されるはずのパスワードが発行されなかったのです。ゲームの仕様でパスワードの発行にある種の想定タイムを設定しているわけですが、その想定タイムを上回るタイムが出てしまいました。これが「バグショートカット」と呼称される所以です。
例えば、エメラルドカップ-オーディールでは、1分20秒未満のタイムを出すとパスワードが発行されません。1分20秒未満のタイムでは、タイムを申請することができないわけです。そのため、ピッタリ1分20秒のタイムが、いくつも申請されることになってしまいました。以下の画像は昨年12月時点のもの。

これはなんだ。ストップウォッチを10秒ピッタリに止める遊びじゃないんだから。
せっかくのインターネットランキングなのに、1分20秒にピタリと合わせるためにゴール直前で待機するという、タイムを競っているとは到底いいがたい状況。そのため、インターネットランキング運営者側(任天堂)がどのような対応を取るかに焦点が集まりました。そして、エメラルドカップの開催期間中に、以下のような注意書きが追加されました。
< 注意 >
タイムアタックモードでエメラルドカップ各コース1分20秒未満(シリンダーノット、インターセクションは20秒未満)の記録が出た場合、ゲームの仕様によりパスワードが発行されません。該当記録が出た場合は専用のタイム申請フォームより申請を行ってください。申請した記録が認定されますとランキングに登録されます。
なお、記録認定の際にリプレイが必要となりますので、メモリーカード及び【1】~【6】までの事項を記載した紙を同封の上、下記の宛先にご送付下さい。
運営者側は、パスワード発行されない記録についても申請を認めることにしました。これは当然の対応だったと思います。インターネットランキングの開催当初から掲載されていた注意書きにはこうあります。
F-ZERO GX/AX オフィシャルサイト
■大会に公平を期すため、大会運営上不適切と見られる行為があった場合は、F-ZERO実行委員会の判断により断り無く、即時記録を削除し、以降、全ての大会への参加資格を剥奪致します。
<不適切な行為の具体例>
・ゲーム改造ツールを使用した記録(タイムアタックレコード)による申請。
・本大会の風紀を乱す恐れのあるエントリーネーム(NAME)を用いた場合。
・他人の名義を用いるなど、虚偽の申請をした場合。
・大会運営に対する妨害行為。 等
「バグショートカット」は、ここに書かれた不適切と見られる行為にはあたりません。運営者が認めたのは当然のコト言えます。一部では「バグショートカット」使用のタイムを申請した人たちを非難する向きがありましたが、ルール違反でも何でもないのですから、そうした非難は誤りといえましょう。私自身もそういう異様なテクニックは好みませんが、だからといって使うなというわけにいきませんよね。
こうしてインターネットランキングのエメラルドカップは昨年12月11日にどうにか終了しました。記録認定のためメモリーカードを郵送することになったため、結果発表は大幅に遅れて、3月12日にエメラルドカップ最終結果が発表されました。このうち最終結果のうち、「バグショートカット」を使用しているのは、インターセクション、ハーフパイプ、オーディールのムービーです(シリンダーノットでは「トビトビ」ができない)。
<『F-ZERO GX』開発スタッフに喝!>
『F-ZERO GX』自体はいい出来だったんですが、ゲームバランスの調整の失敗が台無しにしてしまったなという印象です。ユーザーはその異様なテクニックを巡って賛否両論別れてしまいましたし、インターネットランキングではパスワードが表示されないという大失態でした。「トビトビ」も「バグショートカット」も、元々は「ドリドリ」から派生したテクニックなんですが、なぜ「ドリドリ」が使えるゲームバランスにしたままリリースしてしまったのか、今でも疑問に感じてします。スタッフゴーストが「ドリドリ」をしていることから、開発スタッフ側は「ドリドリ」というテクニックが成り立つことを認識していたはず。なのに「ドリドリ」を使えるようにした理由はどこにあるでしょうか。まさか空を飛べるとは夢にも思っていなかったんでしょうけどもね。
そのあたりに、やはり開発スタッフ側の考えの甘さがあったように思えます。なまじインターネットランキングなんてものを開催するのならば、ゲームのチューニング・デバッグは徹底して欲しかったですね。『F-ZERO GX』を開発したアミューズメントヴィジョンと、それを監督する立場にあった任天堂は猛省して、次のゲームの開発に活かしてもらいたいですね。
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コメント
ホコタテさん、グレートな文章・記事ですね。感動しました。ホコタテさんの意見に同意です。そしてゲーマーの根性というかソコジカラというか、侮れないパワーにも感動。
投稿: こるばす | 2004年3月19日 00時09分
どうもこんばんは。
グレートな記事になってるんですかね。この記事は実は3ヶ月前に大半を書いていたんですが、記事をあげるタイミングを逸してしまい、ほったらかしにしてたやつなんです(笑)。で最近になって最終結果が発表されたので、急いでアップしました。文章に脈絡がないのもそのせいです。一応。
やり込みゲーマーの前には、開発スタッフも脱帽するしかないのかも。しかし、『F-ZERO GX』に関してはバランス調整が不用意でしたね。
投稿: ホコタテブログ | 2004年3月19日 23時52分